皆既日食インタビュー

img

-- 日食以外のトカラの魅力には、どのようなものがありますか?

まず、星空は見逃せません。とくに皆既日食の夜は新月になりますので、星空観察には最適です。トカラの星空の特徴には、視界が良い、南十字星の上3つの星まで見られる、アルファケンタウリが見られる北限である、トカラ関連の名前のついた小惑星が4つある(※1)というものがあります。

そして何よりスマル(スバル)の呼び名の南限(※2)でもあります。「スマル」とは、牡牛座のプレアデス星団のことを示す北方(大和)での呼称です。それがトカラを境に、奄美以南では「ブレブシ」という呼称のグループに変わっていくのです。7月下旬頃は夜半すぎに上ってきますので、ぜひ、南限の地でのスマルとの出会いを体験していただければ、と思います。

同様にして、トカラは、自然も文化・民俗も、南方と北方(大和)の交流点であったため、両方の特徴が見られるという学術上でも貴重なエリアなのです(※3)。中之島のトカラウマや口之島野生化牛などの固有種が生息していたりと、見応えがありますよ。

-- 最後に、世界中で皆既日食を楽しみにしている方々へ向けてメッセージを。

今世紀最高条件と言える「トカラ皆既日蝕」(※4)を、是非多くの方に体験していただきたいと考えていますが、小さな村の力では受入れもままならないのもまた事実です。

皆さんのお知恵、お力を借りて、結集させて、少しでも有意義なものにしていきたいと思います。天文ファン・日食ファンのパワーを結集しましょう!

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |  › インタビューTOPへ

※3 ほかにも十島村には地政的な特徴がある。まず「日本で一番長い自治体」であること。全長162kmもの間に小さな島が点在し、本州に置き換えると名古屋~金沢間に相当する。その上「役場が行政区域内に無い」ために、たとえば選挙ひとつやるにしても大変な時間と労力がかかる。

また、第二次大戦後にアメリカの統治下に置かれた区域のうちで、十島村だけが独自の振興法が施行されなかったことは、財政難を引き起す原因の一つになった。

※4 十島村では福澄さんの提案で、「日食」の元の用字である「日蝕」を採り入れている。