-- 来たる皆既日食について、島の方々はどう思われていますか? 子供たちは楽しみにしていますか?
島の人たちには、期待と不安が交錯しています。人が大勢来島することは大変喜ばしいのですが、水道・電気・トイレなど既存の設備の処理能力以上の来島者があった場合に、自分たちの生活がどうなってしまうのかと不安を訴える住民もいます。また一方では、「新たな特産品を開発しよう」、あるいは「テント村の観測者に地元料理の炊き出しをしよう」などと、前向きにとらえる方々もいます。
子供達や住民に対しては、数年前から中之島天文台長が各島をめぐって、「皆既日蝕」の素晴らしさと、2009年にはここトカラで観測できることをレクチャーしているところです。皆さん本当に楽しみにしています。
-- 皆既日食に関する一連の動きに関して、地域で既に取り組まれていることや問題点をお聞かせください。
2年前(2005年)に役場内に「皆既日蝕対策会議」を設置し、皆既日食の勉強会や、過去の事例研究、アンケート調査などを始めました。また、去年から、鹿児島県・奄美市と共同で会議を開催し、それぞれの地域・団体の現状について報告し合うなど、本格的に日食をめぐる連携をスタートさせています。また、観測者の受入に当たって課題が山積しているため、実績のある旅行代理店と業務協定を結び対策を進めていくことにしており、現在、その選定作業を行っています。
ほかにも、航空写真を活用した観測マップの作成や、プロカメラマンによるトカラ紹介の写真集の企画など、多くのアイディアが寄せられています。ただ、何につきましても相当の経費がかかるため、村の単独予算では対応が難しい状況です。

INFASパブリケーションズ刊