皆既日食インタビュー

〜世界の果てまでも機材を背負って日食と対峙し続ける、孤高の“日食屋”〜
【第4回】市川雄一さんインターネット中継団体「ライブ!ユニバース」理事

-- 厳しい自然条件の中で、日食のインターネット中継を行うのは非常に大変な作業かと思うのですが、技術的にはいかがですか?

LIVE! ECLIPSEとして初めて日食のネット中継をしたのは、1997年のモンゴルです。今でこそ、インターネットを使った中継は驚かれないけれど、当時はフレッツISDNが使えるか使えないかの頃ですから、何かと大変でしたね。ですが配信技術面で言えば、実のところ今も10年前もさほど変わっていません。特に国内では、インフラの精度と端末の性能が向上したため、各家庭に配信する回線速度も速くなりましたが、現地から画像を送るアップリンクのスピードは、あまり変わっていないのです。つまり、家庭がブロードバンド化しても、現地からはブロードバンド化されていないので、速度的には進化していないのが現状です。

また、日食が起こる場所はこちらが決めることではないので、時には海上、時にはツンドラの中など、人類が生息しているエリアとは限られない。つまり、もし地上線があってもモデムレベルの速度だし、地上線自体が無いという確率だってありえます。そんな辺鄙な場所からの発信手段として一番有効なのは、通信衛星です。通信衛星を介した回線速度はISDNレベルの早さで、この点も10年前からほとんど変わっていません。

ここ2年ほどの改良点は、現地に持って行く端末がこれまでは約30kgほどあったので、装備も大変だったのですが、最近は約1kgのものが使えるようになったことですね。2003年の南極では、僕一人で150kgの荷物を抱えて持っていったのに、2006年のリビアでは非常に楽になりました。この端末に変えてからは、ソーラーパネルによる充電とバッテリー駆動が可能となったので、この点も楽になりました。以前は、わざわざ船から長いケーブルをひっぱっていましたから(笑)。

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2003年11月23日、南極からの中継機材は約150kgにも及んだ。市川氏はこの日、人類史上初めての南極大陸からの日食中継に成功した。
2003年11月23日、南極からの中継機材は約150kgにも及んだ。市川氏はこの日、人類史上初めての南極大陸からの日食中継に成功した。zoom