皆既日食インタビュー

〜世界の果てまでも機材を背負って日食と対峙し続ける、孤高の“日食屋”〜
【第4回】市川雄一さん(インターネット中継団体「ライブ!ユニバース」理事)

-- 2008年、2009年と皆既日食が続きますが、どこでご覧になりますか?

2009年の皆既日食は、僕にとっては大変重要なものです。なぜなら、初めて日食を見に行った1991年のハワイ島から数えてちょうど1サロス後なのです(※2)。当時はまだ学生で、マウナケア山に上れば日食が確実に見えたのですが、研究者しか上れないと言われてしまい、ビーチで観測する羽目に。結局、ビーチでは寸前のところで曇ってしまい見れずじまいとなりました。その後、悔しくて悔しくて、ビーチでふて寝していたら、真っ赤に焼けてしまって……最悪のハワイ旅行でしたね。

だから、2009年は、どこに行こうが絶対に晴らします。もう、場所とかの問題じゃないですね。全ては、「俺と日食!」なんです。

それから僕は、厳しい条件の旅が好きなので、2008年は「北極まで行っちゃえ!」と思ってますね。北極圏は南極より生物が少なく、海も空気も澄んでいるため、また違った環境で日食が見れるのかと……。2009年については、海外の日食屋に関して言えば、中国(上海)に行く人が多いのではないでしょうかね。海外では日本列島はあまり紹介されていない気がします。日食屋は天候条件をすごく気にするので、よほどそこに魅力がない限り、天候条件の悪い場所には行きません。

-- これまで日食を通じて、あらゆる世界を見てきた市川さんですが、今、考えてられていることを教えていただけますか?

僕は「国」という概念が、あまり好きじゃないんです。国境なんて、実は意味があまり無いのに、無理矢理キープしようとしている。今、何かが暴走すれば、一気に世界は変われるチャンスで、もしかすると国境も無くせる可能性だってあり得ると思っています。暴走するなら、日本でしょうね(笑)。日本が暴走することでしか、世界はなんとかできない。まあ、もう日本はテクノロジーの分野で暴走しちゃっていますが。

僕は、日本を「宇宙観光立国」にしたいですね。「日本にきたら、誰でも宇宙に行けますよ」という、宇宙に行くためのゲートウェイにしたい。日本は土建国家だし、土建の利益を宇宙に向ければ、10年もあればできますよ。もうすぐ、地球を外から眺められる機会を全人類に与えられる時代が必ず来るはずです。

| 1 | 2 | 3 | 4   › インタビューTOPへ

2007年秋、渚音楽祭でのトーク風景。ライブ!ユニバースでの活動を情熱的に語る市川氏に、多くのオーディエンスは釘付けとなった。
2007年秋、渚音楽祭でのトーク風景。ライブ!ユニバースでの活動を情熱的に語る市川氏に、多くのオーディエンスは釘付けとなった。zoom

(※2)サロスとは日食や月食がおこる日を予測するためのサイクル。日食は、太陽と月と地球の位置関係によっておこる現象のため、毎回同じではなく、コロナの大きさや皆既時間などにばらつきがある。同じサロス番号を持つ日食は、似たような日食がおこる。

photo:Yuichi ICHIKAWA/
moyo